睡眠時無呼吸症候群は腎臓にも関係する?慢性腎臓病(CKD)との関係を解説 

「睡眠時無呼吸症候群」と聞くと、大きないびきや日中の眠気を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。 
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする状態を繰り返す病気です。 

睡眠の質が低下するだけでなく、無呼吸による低酸素状態などが体への負担となり、高血圧をはじめとするさまざまな病気との関連が知られています。 
そして、睡眠時無呼吸症候群と腎臓も無関係ではありません。 
特に、慢性腎臓病(CKD)や高血圧がある方は、睡眠中のいびきや無呼吸にも注意が必要です。 

今回は、睡眠時無呼吸症候群と腎臓にはどのような関係があるのか、腎臓内科の視点からご紹介します。 

1.睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは? 

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりする状態を繰り返す病気です。

代表的なのが「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」で、睡眠中に舌やのどの周囲の組織などによって空気の通り道である気道が狭くなったり、ふさがったりすることで起こります。

主な症状には、

  • 大きないびきをかく
  • 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘される
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝起きたときに頭痛や口の渇きがある
  • 十分に寝ても疲れが取れない
  • 日中に強い眠気がある

などがあります。

睡眠中に起こるため、自分では気づきにくく、ご家族からいびきや無呼吸を指摘されて初めて気づくケースもあります。

2.なぜ睡眠時無呼吸症候群が腎臓に関係するの? 

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が止まることで、体内に取り込まれる酸素が一時的に少なくなります。
呼吸が再開すると酸素濃度は戻りますが、無呼吸がある方では、こうした低酸素状態と回復が睡眠中に繰り返されることがあります。
この状態は交感神経の働きを活発にし、血圧の上昇や血管への負担につながります。

腎臓は、細かな血管が集まった臓器です。
血圧が高い状態が続くと腎臓の血管にも負担がかかり、長期的には腎機能の低下につながる可能性があります。
つまり、睡眠時無呼吸症候群は「睡眠だけの病気」ではなく、低酸素状態や血圧への影響などを通して、腎臓にも関係する可能性がある病気なのです。

3.睡眠時無呼吸症候群と高血圧、腎臓の深い関係

腎臓の健康を考えるうえで、特に重要なのが「血圧」です。
腎臓には余分な塩分や水分を排出するだけでなく、血圧を調整する役割があります。

一方、高血圧が続くと腎臓の細い血管が傷つき、腎機能が低下する原因になります。そして腎機能が低下すると、塩分や水分を十分に排出できなくなり、さらに血圧が上がりやすくなることがあります。
このように、高血圧と腎機能低下は互いに影響し合う関係にあります。

そこに睡眠時無呼吸症候群が加わると、睡眠中の無呼吸や低酸素状態によって交感神経が活発になり、血圧が上がりやすくなります。

そのため、
「高血圧の治療を続けているのに、なかなか血圧が下がらない」
「複数の降圧薬を服用している」
「朝起きたときの血圧が高い」
といった場合には、血圧が高い原因の一つとして睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確認することも大切です。

4.慢性腎臓病(CKD)がある方は睡眠にも注意を


慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働きが低下した状態や、尿たんぱくなど腎臓の異常が一定期間続いている状態です。CKDの進行を抑えるためには、腎機能だけを見るのではなく、血圧や血糖、体重、食生活など、腎臓に負担をかけるさまざまな要因を管理することが重要です。

その一つとして、睡眠の状態にも目を向ける必要があります。
特に、

  • CKDと診断されている
  • 高血圧がある
  • 肥満を指摘されている
  • 大きないびきをかく
  • 家族から「寝ている間に呼吸が止まっている」と言われる
  • 日中の強い眠気や疲労感がある

といった方は、睡眠時無呼吸症候群について医師へ相談してみることをおすすめします。

5.睡眠時無呼吸症候群の検査・治療は? 

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、睡眠中の呼吸や酸素の状態などを調べる検査を行います。
医療機関や自宅で行うアプノモニター検査や、必要に応じて睡眠の状態をより詳しく調べる「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」などがあります。

治療方法は重症度や原因によって異なりますが、代表的なものが「CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)」です。睡眠中に専用のマスクを装着し、空気を送り込むことで気道がふさがるのを防ぎます。

また、肥満が関係している場合には、食事や運動などの生活習慣を見直し、適正体重を目指すことも重要です。
検査結果や患者さんの状態に応じて、適切な治療方法を検討していきます。

6.腎臓を守るためにも「睡眠」に目を向けてみましょう 

睡眠時無呼吸症候群は、いびきや眠気だけの問題ではありません。

睡眠中の低酸素状態や血圧への影響などを通して、心臓や血管、そして腎臓にも影響を及ぼす可能性があります。
特に慢性腎臓病や高血圧がある方は、腎機能や血圧の管理とあわせて、睡眠中の状態についても確認してみることが大切です。

「いびきがひどいと言われる」
「寝ている間に呼吸が止まっているらしい」
「血圧の薬を飲んでいるのに、なかなか下がらない」

このような場合は、「睡眠の問題だから腎臓とは関係ない」と考えず、診察の際に医師へ相談してみましょう。
松山医院大分腎臓内科では、腎機能だけでなく、高血圧など腎臓に影響を及ぼす要因についても確認しながら診療を行っています。
腎機能の低下を指摘されている方や慢性腎臓病で通院中の方で、いびきや睡眠中の無呼吸などが気になる場合は、診察時にご相談ください。

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