慢性腎臓病(CKD)が進行し、腎臓の働きが大きく低下すると、腎臓の機能を補うための「腎代替療法」が必要になることがあります。
腎代替療法には、主に血液透析・腹膜透析・腎移植という選択肢があります。
「透析と腎移植は何が違うの?」
「腎移植について、いつ頃から考えればいい?」
「移植を希望する場合、まずどこに相談すればいい?」
腎代替療法について考える時期を迎えると、このような疑問や不安を感じる方も少なくありません。
大切なのは、腎機能が低下してから慌てて決めるのではなく、それぞれの治療方法について早い段階から知り、ご自身の生活や希望に合った方法を考えていくことです。
今回は、腎代替療法の種類やそれぞれの特徴、腎移植について考える際のポイントをご紹介します。
1.腎代替療法とは?

腎臓には、体内の老廃物や余分な水分を尿として排出するほか、電解質や血圧を調整するなど、さまざまな働きがあります。慢性腎臓病が進行すると、これらの働きを十分に保つことが難しくなり、腎臓の機能を補う治療が必要になる場合があります。
その治療を「腎代替療法」といい、主に次の3つがあります。
- 血液透析
- 腹膜透析
- 腎移植
どの治療方法が適しているかは、腎臓の状態だけで決まるものではありません。
年齢や合併症、生活環境、仕事、ご家族の状況、ご本人の希望なども含めて検討していきます。
そのため、腎代替療法が必要になる可能性がある場合には、それぞれの治療方法の特徴を理解したうえで、医師や医療スタッフと相談しながら選択することが大切です。
2.血液透析・腹膜透析・腎移植、それぞれの特徴
血液透析
血液透析は、血液を体外に取り出し、透析器(ダイアライザー)を通して老廃物や余分な水分を取り除き、きれいになった血液を体内に戻す治療です。
一般的には医療機関へ定期的に通院して治療を受けます。
腹膜透析
腹膜透析は、お腹の中に透析液を入れ、自分自身の腹膜を利用して老廃物や余分な水分を取り除く治療です。
基本的に自宅で行うため、生活スタイルに合わせやすいという特徴がありますが、ご自身やご家族による管理が必要になります。
腎移植
腎移植は、提供された腎臓を移植し、低下した腎機能を補う治療です。
腎臓を提供する方(ドナー)によって、主に「生体腎移植」と「献腎移植」に分けられます。
移植後は、移植した腎臓ができるだけ長く機能するよう、拒絶反応を抑えるための免疫抑制薬の服用や定期的な診察・検査など、継続した管理が必要です。
3.腎移植は「透析を始めてから」考えるもの?

腎移植というと、「透析を長く続けた後に検討する治療」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、必ずしも透析を開始してから検討するものではありません。
条件が整えば、透析を開始する前に腎移植を行う「先行的腎移植」という選択肢もあります。
そのため、将来的に腎代替療法が必要になる可能性がある段階から、血液透析や腹膜透析だけでなく、腎移植についても一つの選択肢として情報を得ておくことが大切です。
「まだ移植すると決めていないから相談するのは早い」と考える必要はありません。
腎移植が自分にとって選択肢になり得るのか、どのような準備や検査が必要なのかなどを知ることも、今後の治療を考えるうえで大切な一歩になります。
4.腎移植を検討するときに確認しておきたいこと
腎移植には、透析とは異なる特徴や注意点があります。
- たとえば、
- 自分が腎移植の対象となる可能性があるか
- 生体腎移植と献腎移植にはどのような違いがあるか
- 移植までにどのような検査や準備が必要か
- 移植後はどのような通院や治療が必要になるか
- 免疫抑制薬について
- 移植後の日常生活で気をつけること
など、事前に確認しておきたいことは少なくありません。
また、患者さんによって腎臓病の状態や合併症、生活環境などは異なるため、一般的な情報だけで判断するのではなく、ご自身の状態を踏まえて専門医に相談することが重要です。
5.松山医院 大分腎臓内科では腎移植専門医への相談が可能です

松山医院 大分腎臓内科では、当院に通院中の慢性腎臓病の患者さんを対象に、腎移植専門医による相談の機会を設けています。
2~3か月に1度、不定期の土曜日に実施しており、完全予約制です。
腎移植を検討している方の移植前の相談だけでなく、腎移植を受けた後の経過についての相談も行っています。
「自分の場合、腎移植は選択肢になる?」
「移植について詳しく知ってから考えたい」
「移植後の経過について専門医に相談したい」
といったご相談が可能です。
腎移植について相談をご希望の場合は、通常の腎臓内科外来を受診された際にご相談ください。診察時に予約をお取りいただけます。
6.腎代替療法は「自分らしい生活」も考えて選択を
腎代替療法には、血液透析・腹膜透析・腎移植という複数の選択肢があります。
どれか一つがすべての患者さんにとって最も良い治療というわけではありません。
治療方法によって、通院の頻度や日々の自己管理、生活への影響なども異なります。
だからこそ、腎機能が低下してきた段階から、「どの治療を受けるか」だけでなく、「これからどのような生活を送りたいか」も含めて考えることが大切です。
松山医院 大分腎臓内科では、慢性腎臓病の診療から、将来的な腎代替療法についての相談まで、患者さんの腎臓の状態や生活背景を踏まえながら一緒に考えていきます。
また、腎移植については腎移植専門医へ相談できる機会を設けています。
「まだ透析や移植について考える段階なのかわからない」という方も、まずは腎臓内科の診察時にご相談ください。



